ファッションに大きな影響を与えたデザイナー『Martin Margiela』の歴史〜コレクション編1〜
今日はファッション業界に大きな影響を与えたデザイナー“Martin Margiela”のコレクションと、現代ファッションへの影響を与えた名作について書いていきます。
前回の記事の誕生編をまだ見ていない人はそちらもチェックするとより面白く見れるかと思います。
1989S/S
華がありきらびやかなファッションショーが主流であった80年代にマルジェラのファーストコレクションはとてもショーをするにふさしい会場ではなく、”反モード”(アンチモード)を感じ取ることができた。
トップスにタトゥーの騙し絵”Trompe L’oeil”(騙し絵)を施したりTabiシューズ。
皆様ご存知Demna Gvasalia(デムナ・ヴァザリア)の”VETEMENTS”19SSにはこんな作品が。。。
モデルがマスクで顔を覆い隠したりなどマルジェラの世界観がかなり詰まったコレクションとなりました。
コレクションの最後、マルジェラは現れませんでした
自分ではなく服を見てくれとデザイナーの真髄を表現したのでしょうか。
ちなみに今”Margiela”このコレクションのTrompe L’oeil(騙し絵)トップスを買おうと思うと、$8,600
約90万です。笑
1989-90A/W
このコレクション肩のパターンが特徴的なジャケットやお皿を分解してつなぎ合わせたベスト、デザイン画を見ると襟やパンツもかなりこだわりが見えますね。
もうお皿とか理解できないぐらいの創造力。。。笑
1990S/S
このコレクションはファッション界では見たことのないショーの演出でパリ郊外の遺棄された遊び場で、 前列は地元の子供でいっぱいでした。 モデルはつまずくほど 滑走路は不均一でした。 一部の人たちはこのショーをかなり否定しましたが、 業界は高く評価しました。
裸に白いベルトコート、幅の広いズボン、トップスはすべて擦り切れていて未完成で、落書きの壁や老朽化した建物でいっぱいの荒れ地。
個人的にこのショーはかなり好きです。笑
1990A/W
このコレクションではTabiではなくラバーブーツのようなゴム製のブーツなどの変化が見られた。
このニットはマルジェラのお母さんが編んだものもあったとか。
1991S/S
引用元 https://www.vogue.com/article/martin-margiela-exhibit-palais-galliera
この時期にメゾン内に、既存の服や布地を加工し、新しい物に作り替える”Artisanale collection”(アーティザナルコレクション)を発表しています。
アーティザナルとは、職人的な、という意味で、全てパリのアトリエで手作りされているコレクションです。
そして”解体再構築”ラインになります。
作品の製作数は限定され、素材もそれぞれ違っているため、それぞれの作品がオリジナリティと独創性を感じられるものとなっています。
このシーズン、器用したモデルの年齢は様々で1950年代のパーティードレスをカットしてリサイクル使用しました。
1991-1992A/W
このコレクションはマルジェラのアトリエで発表されました。ショーではなく会場にいるモデルたちが服の説明を行うという新しいスタイルのコレクションでした。(上の写真)
印象的なのはこのセーター。ミリタリーソックスを縫い合わせカーキにペイントした”Artisanale Collection”(アーティザナル)のセーター。
ここまでマルジェラの1シーズンから6シーズンの紹介させていただきましたがすでにマルジェラはここまでのコレクションで確固たる地位を築いています。
彼の個人的なファッションの作り方は時代を先取りしており、すぐに彼のコレクションと仕立て屋の詳細に注目が集まり、後に他のデザイナーによって再提案され、商業的なファッショントレンドになっています。
次回もまた1992S/S〜のコレクションを取り上げていきます。